[2017年07月02日]
05年、岡山県警は全国に先駆けてウインカーを出すタイミングを示す「★合図」の路面標示を導入するも、なかなか成果は出ず……
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いわゆる“プチプチ啓蒙動画”が話題となり、あらためて脚光を浴びた「岡山県のドライバーはウインカーを出さない」という衝撃事実。ホントか!?というわけで、現地に飛んだ!

■全国平均をはるかに上回るドライバーの無法ぶり

YouTube再生回数なんと39万回! 岡山トヨペットが制作したこんな動画が話題になった。

車に乗って岡山県に引っ越してきた青年は驚愕(きょうがく)の光景を目の当たりにする。その街は家も人も車も、さらにはペットでさえも包装用プチプチ(緩衝材)に包まれていたのだ。人々はウインカーを出さない車に衝突されても、プチプチに身を守られているためか、みんな笑顔だ。そこにこんなテロップがーー。

「日本一ウインカーを出さない岡山県では、こんな安全対策が必要かもしれない」

「岡山県では50分に1回、交通事故が起きている」

* * *

なぜ、岡山トヨペットはこんな動画を作ったのか?

「かねて、岡山はウインカーを出さずに車線変更や右左折するドライバーが多いといわれてきました。05年には日本で初めて、ウインカーを出すタイミングを示す『★合図』マークを交差点30m手前に表示するなど、警察が交通ルールの順守を呼びかけてきました。

にもかかわらず、昨年6月にJAF(日本自動車連盟)が実施したアンケートで、岡山が日本一ウインカーを出さない県という結果が出てしまった。そこで県民にウインカー励行を呼びかけるために、このプチプチ動画を制作したんです」(岡山トヨペットの動画制作担当者)

昨年のJAFの調査(全国回答者6万4677人、岡山県内居住者970人)によれば、「ウインカーを出さずに車線変更したり、右左折する車が多い」との設問に対し、岡山県内居住者の回答割合は「とても思う」が53・2%、「やや思う」が37・8%。両者を合わせると実に91%にも上る。「とても思う」の全国平均が29・4%にすぎないことを考えると、岡山のドライバーの無法ぶりは明らかだ。

これにはJAF岡山支部の広報担当者もため息をつく。

「県外から転居してきたドライバーから『岡山はウインカーを出さない車が多くて、怖くて走れない』という話をよく聞きます。ウインカーを出さずに走るということは直進の合図。なのに、急に右左折をすることほど危険な行為はありません。本当に困ったことです」

(画像)
岡山市内では、交差点や歩道橋など至る所にウインカーを出すよう指示する横断幕が。県外者にとってはちょっと違和感?
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