栃木県佐野市葛生地区で火災の消火用具を入れる格納箱から、消火ホースの先端に取り付ける
真ちゅう製の器具「管鎗(かんそう)」が100本なくなっていることが分かった。

 佐野市は栃木県警佐野署に被害を届け出て、同署で窃盗事件として捜査している。

 市危機管理課によると、管鎗は自治会の公民館や公園などに設置された格納箱に数本のホースと
一緒に保管され、通常は1箱に1本が収納されている。ホースの放水量を調整する機能があり、
消火に欠かせない。速やかに初期消火にあたれるように箱には鍵はかかっていないという。

 今月16日に葛生地区の自治会から「管鎗がなくなっている」と申告があったため、同課が
市内の全自治会を対象に格納箱の点検を要請。20日までに、同地区の28自治会のうち、
13自治会で管鎗がなくなっていたという。同課は、数年前にも市内の工場などで、転売を
目的とした金属の窃盗被害があったため、今回も転売のために盗まれた可能性が高いとみている。

 同課は、19日に葛生地区の全自治会に配布したチラシで格納箱の扉に盗難防止用のブザーを
設置することや、管鎗を別の場所に移すなどの対策を呼びかけた。同課は「不審者を見たらすぐに
110番してほしい」と呼びかけている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170625-OYT1T50034.html