仙台・中2自殺
母話さぬ内容、遺族指摘…朝日が一部削除

毎日新聞2017年5月2日 11時39分(最終更新 5月2日 12時25分)


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男子生徒が自殺した原因について、調査する意向を示す仙台市教育委員会の大越裕光教育長(中央)=仙台市青葉区の仙台市役所で2017年4月29日、本橋敦子撮影


 仙台市の市立中学2年の男子生徒(13)が自殺した問題で、朝日新聞仙台総局の男性記者が、亡くなった男子生徒の母親に取材していない内容をデジタル版に掲載していたことがわかった。
同社は、ウェブ記事に掲載した母親のコメントを一部削除するなど修正して掲載した。同社広報部は「遺族関係者に取材して書いた記事だと聞いている。関係者とのやりとりの中で行き違いがあったようだ」と説明している。

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 修正したのは、1日午後4時44分に同紙デジタル版で配信した「いじめ自殺、遺族語る『あったかどうか』腹が立つ言葉」の記事。「母親が関係者を通じて朝日新聞の取材に応じ」たとし、母親のコメントを紹介している。

 記事は「生徒の母親のコメントは次の通り」とした上で、「息子が自ら命を絶ってから、混乱したままの日々が続いております」「助けてやれなかった自分を責めるばかりです」などと、現在の心境をつづっている。

 しかし、遺族の関係者によると、遺族は「話していない内容があった」と語っているという。

 こうした指摘を受け、朝日新聞は記事の一部を取り消し、関係者から聞いた遺族の語った話として記事を修正し掲載した。【本橋敦子、真田祐里】


https://mainichi.jp/articles/20170502/k00/00e/040/193000c