1960年以前確定分はデータが不正確かつ不足して
、1980年以降に確定したのは永山事件、市川事件
、連続リンチ事件の3人、光市事件、石巻殺傷事件
の5例しかない。
そこで60年代と70年代に確定した少年死刑囚11名
を見てみる。11名のうち、三人殺害が2名、
二人殺害が4名、一人殺害が5名。
被殺者一人で死刑になった5人は
福岡で幼児を身代金目的で誘拐、殺害したK・A、
警官を銃で射殺した後、渋谷のビルに立てこもり、
多数の負傷者を出した片桐操、
結婚詐欺で相手の女性を殺害し、逮捕後、
拘置施設から逃走事件を起こしたS・M、
強姦致傷事件で保護観察中に大学職員の
女性を強姦し殺害したK・S、そして
東京都内で身代金目的で幼児を誘拐し殺害した
K・T。どれも被害者1人としては最悪。
それでも、身代金目的誘拐殺人ではない
片桐、S・M、K・Sの3人は1審は無期懲役
である。やはり当時でも、少年への死刑適用は成人
へのそれに比べて慎重に行われていたこと
がうかがえる。