>リニア中央新幹線は南海トラフ巨大地震と活断層地震で損壊する
>石橋克彦 神戸大学名誉教授(地震学)

>本稿でみたように,リニア中央新幹線は,地球上でいちばん
>地震危険度の高い地帯に建設されているといえる。活断層に
>よる内陸大地震や南海トラフ巨大地震で大被害と大惨事を生じ,
>最悪の場合には技術的にも経済的にも復旧が困難で,廃線に
>なるかもしれない。JR 東海が自己負担で推進すると宣言した
>にもかかわらず投入された不透明な公的資金(「第 3 の森加
>計問題」と疑われる 3 兆円の財政投融資83)や JR 東海の
>赤字の尻ぬぐいとともに,将来世代への莫大な負の遺産にな
>りかねない。「夢のエネルギー」としてズルズル推進され,
>福島事故を起こした原子力発電と同じである。大規模な自然
>環境破壊と沿線住民の生活破壊84,建設と営業における莫大
>なエネルギーの消費,さらには「リニア原発震災」の恐怖を
>考えれば,コロナ禍を機に工事を中止し,リニア中央新幹線
>計画をあらゆる面から根本的に再検討すべきであろう。

岩波「科学」電子版2020年10月号
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_202010_Ishibashi.pdf