NVIDIA、カリフォルニア工科大学、スタンフォード大学などの共同研究チームは5月27日、自律型のAIエージェント「Voyager」をオープンソースとして公開した。大規模言語モデル(LLM)として「GPT-4」を用い、世界中で人気のオープンエンドワールド型ゲーム「Minecraft」のワールドを人の手を介さずに自律的に探検し、スキルを習得し、新しい発見ができるという。

自律型AIエージェント「Voyager」とは
 「Voyager」を発表した共同研究チームは、昨年11月「MineDojo」という別のAIシステムでも論文を発表しアワードを受賞している。この「MineDojo」はインターネット上のマインクラフトの膨大のプレイ動画などから学習し、対話形式でAIエージェントを操作できるもの。今回の「Voyager」はこれとは別のアプローチ。人が介入する必要がないAIで、人間がマイクラを経験してできることが増えていくようにAI自身がマップ内を体験し学習していくシステムだ。

 公開されたWebサイトでは、「Voyager」が行っているプレイ動画が何点か掲載されている。これをAIが自律的に行っている点に注意してほしい。

 「Voyager」は、主に以下3つのコンポーネントから構成されている。

探検を最大化する自動カリキュラム
複雑な行動を実行可能なコードとして記録するスキルライブラリ
環境のフィードバックや実行エラーを考慮したプログラム改善のための反復プロンプトメカニズム

 「Voyager」の特徴の1つが大規模言語モデル(LLM)としてすっかりお馴染みになったGPT-4を利用している点。連携する方法は、ブラックボックスクエリと呼ばれる手法を使っている。GPT-4に対して自然言語で問いかけ指示することで、コードやテキストを返してもらう。GPT-4のモデルパラメーターを微調整する必要がないのが利点だという。
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1504696.html