山田奈緒

毎日新聞 2023/5/22 16:00(最終更新 5/22 16:00)

 天井が高く開放感のある建物、外には人工芝のドッグラン――。埼玉県川越市にあるおしゃれなカフェには近隣住民が集い、子どもからお年寄りまでさまざまな人たちでにぎわう。
このカフェ、障害者就労支援施設「able! FACTORY」(エイブル・ファクトリー)内にあり、アダルトグッズメーカー「TENGA」(テンガ)=東京都中央区=が運営している。なぜ、テンガが障害者福祉なのか。【山田奈緒】

 TENGAの松本光一社長が障害者支援に取り組むきっかけは何だったのでしょうか。インタビュー記事で詳しく語ってくれました。
「セックスに憧れる」 障害者の欲求に向き合うTENGA社長
 2022年5月にオープンしたエイブル・ファクトリーには「テンガ」や「障害者支援」といった文字は見当たらない。
店内には、「カフェの奥はなに?」と興味を持ってから施設がテンガの運営だと知る客や、「え、テンガなの。障害のある人が働いてるの」と驚く客の姿があった。

 ここは就労継続支援B型事業所の指定を受けており、一般企業で働くのが難しい障害者に作業やスキルアップの機会を提供している。
障害者はカフェで調理補助や接客をするほか、奥の作業室ではオーダーTシャツの制作やテンガ製品のフィルム包装などに携わり、工賃を得ている。

 「障害者は恋愛をするし、性欲もある。『障害者と性』をタブーにしない。その覚悟を詰め込んだ場所がここなんです」。
施設長の木村利信さん(60)はそう言って、オープンから1周年を迎えるカフェを見回した。

https://mainichi.jp/articles/20230517/k00/00m/040/109000c