有明海の養殖のりが不作となっている影響を受けて、のり加工販売大手の「白子」が、ことし6月から家庭用ののり商品を最大で40%値上げすることを決めました。

関係者によりますと、「白子」は、家庭用のほぼすべてののり商品について6月1日の出荷分から値上げします。

値上げの幅は、希望小売価格で15%から最大40%で、このうち「焼きのり」などをおよそ40%、「味付けのり」などを30%から35%程度値上げするとしています。

会社がのり商品を値上げするのは4年前の2019年以来で、40%の大幅な引き上げは初めてだということです。

理由について会社では、全国有数の養殖のりの産地として知られる有明海で、今シーズン、記録的な不作が起き、仕入れ値が大きく上昇したためだとしています。

特に佐賀県内の養殖のりの今シーズンの生産量は、先月末までの累計で前の年の同じ時期からほぼ半減し、入札会でののり1枚当たりの取り引き価格は51%高くなっていました。

さらに、のりを輸送するための段ボールの費用のほか、物流コストなどの上昇も値上げの判断につながったとしています。

今回、業界の大手が値上げに踏み切ることで、今後、ほかの企業にものりの値上げの動きが広がる可能性がありそうです。
2023年3月19日 21時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230319/k10014013391000.html