2023/03/18 23:56

 大阪府内に拠点を置くタクシー会社の多くが、今夏にも5000円超の運賃を5割引きにする「55(ゴーゴー)割」を廃止することがわかった。55割を導入していた事業者の8割にあたる143社が、9000円超の運賃を1割引きにする設定に改める。業界で燃料高や人手不足が課題になっていることが背景にある。

 55割は5000円を超えた運賃分が半額になる割引。2002年の運賃の規制緩和に伴い、大阪のタクシー会社が相次ぎ導入した。タクシー激戦区の大阪ならではの割引で、近畿運輸局によると、昨年9月末時点で大阪府内の法人タクシー(ハイヤー含む)の6割にあたる165社が導入。このうち143社が割引率の変更を申請している。

 約20年にわたって続いてきたが、コロナ禍による収益悪化で高い割引率が経営の負担となり、タクシー業界が見直しに動いた。運輸局も過度な割引を是正するため、昨年12月に割引率を見直す際の審査基準を緩和し、タクシー会社側が変更しやすくした。申請があれば認可する方針という。

 55割の廃止により、運賃は大阪・梅田―神戸・三宮間で2000円程度、梅田―京都間で5000円程度高くなる。一方、55割を継続する会社もあり、「利用者が55割のタクシーに集中したり、乗り控えにつながったりしないか心配だ」(大阪府内のタクシー会社)との声も上がる。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230318-OYT1T50165/