建設用クレーン大手のタダノは、インドでのクレーン車の開発・製造を中止すると発表した。新型コロナウイルス禍による開発の遅れや市場環境の変化により、現地でのクボタ連結子会社との提携を解消して販売に集中する。

タダノは2018年にインドの農業機械・建設機械大手、エスコーツ(現エスコーツクボタ)と合弁会社、タダノ・エスコーツ・インディア(TEI)を51%出資して設立。1つの運転席で走行とクレーンの操作ができる「ラフテレーンクレーン」などの自社製品をインドで販売すると同時に、現地生産へ向けてクレーン車の開発を続けてきた。一方、エスコーツはクボタが買収、22年に連結子会社となった。

コロナ禍などで開発が遅れるうちにインド市場では中国メーカーなどの価格競争が激化。タダノは現地生産しても収益確保が難しいと判断して開発中止を決めた。

現地生産は断念するものの、タダノはインドを引き続き重要市場と位置づける。TEIを介して自社製品の販売を続けるため、エスコーツクボタが保有するTEI株式49%をタダノが取得して完全子会社化する。取得額は非開示。タダノは業績に与える影響は軽微としている。

2022年9月20日 22:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC1686J0W2A910C2000000/