【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルが米国の店舗などで働く従業員の最低時給を22ドル(約2800円)に引き上げることがわかった。26日までに米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。インフレが続くなか、賃金を増やすことで人材確保につなげる。店舗で広がる労働組合結成の動きに対処するねらいもあるとみられる。

報道によれば、アップルは給与に充てる予算を増やす方針を従業員に伝えた。「アップルストア」などで働くスタッフの時給は22ドルからとなり、2018年の水準と比べて45%上がるという。地域の賃金水準に応じて、さらに増やす場合もある。

インフレが定着するなかで、賃金の上昇圧力も強まっている。ニューヨークなど一部のアップルの店舗では、最低時給30ドルを実現するため労組の結成をめざす従業員も出始めた。こうした動きに対応する措置とみられる。

このほか、時給制でない従業員の報酬も引き上げるもようだ。米IT(情報技術)企業ではマイクロソフトなども、従業員報酬に充てる予算を増やす方針を示している。アップルからの回答は得られていない。
2022年5月27日 7:54
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN270E00X20C22A5000000/