日本電産は工作機械事業で攻勢をかける。21日会見した永守重信会長は「あと3社買収する」と明言、2025年度までに工作機械など機器装置事業の売上高を現状の2倍以上となる5000億円に伸ばす。30年度に同1兆円を視野に、工作機械業界で“断トツ”規模を目指す。「中国の工作機械メーカーに対し、日本の工作機械業界はもっと一体感を持って戦わなければならない」(永守会長)と業界再編をしかける。

同社は21年8月に三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を、22年2月にOKKを相次ぎ買収。「事業として高い収益を上げている。PMI(買収後の経営統合作業)をやって自信を深めている」(同)とし、今後も同事業でM&A(合併・買収)を加速。事業の柱と位置付ける。

また同日、永守会長が最高経営責任者(CEO)に復帰する人事を発表。関潤社長は当面、電気自動車(EV)の中核部品となるトラクションモーター事業に専念。23年度としている単年度黒字化の前倒しに注力する。一方で永守会長はウクライナ危機など経営環境の不安定さが増す中、3年をめどに陣頭指揮を執り、低迷する株価の回復を目指す。

永守会長は「(CEO職を譲ったのが)早すぎた」とし、関社長をCEOから最高執行責任者(COO)に“降格”。「日本電産の本来の姿である速いスピード、高い収益を取り戻す」と、再び自ら先頭に立つ。23年4月に社名を「ニデック」に変更、グローバルでのグループ一体経営を進める。
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