【ニューヨーク=野村優子】米誌フォーブスは5日、2022年版の世界長者番付を発表した。米電気自動車(EV)メーカー、テスラの最高経営責任者(CEO)で、宇宙開発を手掛ける米スペースX率いるイーロン・マスク氏が、初めて首位に立った。保有資産は2190億ドル(26兆9000億円)と、前年から680億ドル(約8兆円強)増えた。

全体では株価が不安定だったことなどから、世界の長者数とその資産額は減少した。資産10億ドル以上の超富裕層は2668人と、過去最多を記録した前年から減少。前年の長者番付から外れたのは329人と、09年の金融危機以来で最も多くなった。合計資産も12兆7000億ドルと前年の13兆1000億ドルから減少した。保有資産は3月11日時点の株価や為替水準で計算されている。

フォーブスの副編集長、ケリー・ドラン氏は「波乱の株式市場が世界の富豪の財産を急激に減少させた」と述べた。

2位は米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏で、1710億ドルだった。前年まで4年連続で首位だったが、資産額が減り順位を落とした。3位は仏高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)会長のベルナール・アルノー氏(1580億ドル)。米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏、トップ5に返り咲いた著名投資家のウォーレン・バフェット氏が続いた。

日本勢は順位を落とし、資産額の減少が目立った。54位は衣料品店ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長で、資産額は261億ドル。前年は31位で441億ドルだった。74位に入ったソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(213億ドル)は、前年は29位で454億ドルだった。
2022年4月6日 0:57
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