メインMCに経済学者の入山章栄教授を迎え、世の中に溢れる事実(ファクト)を、感情論ではなく論理的(ロジカル)に読み解く、新たな経済討論番組『FACT LOGICAL』。

「うまい棒」値上げの衝撃


長らくデフレが続いてきた日本。ところが、にわかにインフレが来るぞという話になってきた。ここで入山さんが1つ目のファクト。うまい棒がついに10円から12円に値上げ! 赤いきつねと緑のたぬきは193円から214円に! 雪印メグミルクの6ピースチーズは365円から385円に! 日常生活にもインフレの波が押し寄せている。


藤巻さんが分析する。
「日本経済は40年間低迷してきたから、物価は上がりっこなかった。ところが、世界中でインフレになり、原材料や原油の価格が上がっている。それにつられて輸入価格が上がり、円安も進んでいるので、インフレが加速し始めている。ただ、日本は他の国に比べたらインフレ率もまだ低い」

山崎さんも続ける。
「緑のたぬきは、スーパーでいろんな価格で売られているから比較的価格を動かしやすいが、うまい棒の2割値上げはインパクトがあった。原材料価格が上昇しているし、アメリカの景気がいいから需要が増えている。その両面で世界的に物価が上がっている。ただ、日本は景気がよくない。やがて消費者物価も上がるだろうが、日本は需要が盛り上がって物価が上がるという状況ではない」


現状は円高? 円安?


まずはお互い穏やかなスタート。現状認識は割と近い? 藤巻さん、腕組みしながら少しずつアクセルを踏む。
「これまでは国の実力に比べて円が高すぎた。私は1ドル200円ぐらいが適正だと思っている。円が強くて、もの、サービス、労働力も高いから日本の経済がぽしゃった。経済が悪けりゃ値段を下げて売り上げを伸ばそうとするものなのに、すべてにおいて値段が高すぎた」

山崎さんが真っ向から反論する。
「いや、日本の物価は安いですよね。日本の為替レートが円高だとは思わない。今の円安な状況を受け入れて、徐々にインフレに持って行って金融政策が効くような形にしないといけない。そのためにはもっと財政を使う必要がある」

意見のずれがどんどん大きくなる。顔を紅潮させてメモり出す藤巻さん。

山崎さんが続ける。
「消費税を2回上げたのは失敗だった。そのためインフレにできなかった。今、インフレになってきたから金融を引き締めるというアベノミクスの修正に動くことが心配。率直に言って、岸田さんは安倍さんが嫌いだと思う。岸田さんの周りには財政再建しなきゃという官僚が多い。心配している」

はたして今は円高? 円安? 藤巻さんが主張を続ける。
「日本は40年間世界でダントツのビリ成長だった。これこそが円高の証左。かつて私は穏やかなインフレがいいと言っていたが、今は言うのをやめた。これから円安になると、Xデーの引き金を引いてしまうから。山崎さんが言うような楽観的な状況でない。金融緩和をやるべきやらないべきというステージは既に終わった」
https://www.youtube.com/watch?v=pM_p47LXAlY
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