【ニューヨーク=野村優子】新型コロナウイルスの感染者数の減少を受けて、米国でコロナ規制を緩和して正常化に向かう動きが加速している。ニューヨーク市は、7日までに学校やレストランなどの屋内施設で求めてきたマスク着用やワクチン接種の義務を見直す方針を示した。

ニューヨーク市のアダムス市長は2月27日、市内の感染者数が低水準で推移した場合、3月7日までにレストランやフィットネスジム、映画館などの屋内施設と、学校でのマスク着用とワクチン接種義務を撤廃する準備を進めていると述べた。ニューヨーク州はすでに屋内施設や学校でのマスク着用義務の撤廃を決定しており、各自治体などの判断に委ねている。

感染対策を緩和する動きは、全米で加速している。西部カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州も11日から、学校でのマスク着用義務を撤廃する。米連邦議会も2月27日、3月1日のバイデン米大統領による一般教書演説を前に、マスク着用義務を撤廃すると議員に通知した。

米疾病対策センター(CDC)によるマスク着用ルールの緩和も後押しとなった。先週末にガイドラインを変更し、学校を含めた屋内施設でマスク着用を求めるのは感染者数などが多い地域のみとした。これにより、米人口の約7割はマスク着用緩和の対象となった。

米国では感染者数の減少が続いている。CDCによると、新規感染者数(7日移動平均)は25日に約6万8800人となり、1月中旬につけた過去最多の80万人超から9割減少した。
2022年3月1日 6:51
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28EGE0Y2A220C2000000/