Zホールディングス傘下のヤフーは20日、自社のニュースサイト「ヤフーニュース」で2021年10〜12月の2カ月間に、読者が意見投稿できるコメント欄を計216の記事で非表示にしたと発表した。誹謗(ひぼう)中傷など同社が定める投稿ルールに違反する内容が集中した記事について、投稿欄を停止する措置を同10月に始めていた。

スマートフォンやSNS(交流サイト)の普及でネット上のコミュニケーションが広がる中、不特定多数からの誹謗中傷や差別も頻発して社会問題化した。ヤフーニュースは対策として21年10月、人工知能(AI)が適切でないと判断した投稿が一定数を超えた記事で、コメント欄を自動で閉鎖する機能を導入した。

ヤフーニュースは21年10月19日〜12月18日までの2カ月間に1日平均7511件の記事を配信し、計216件でコメント欄が非表示となった。非表示数は1日平均3.5件で、記事全体の約0.05%にあたる。

記事の配信元別では一般紙・通信社の47件が最も多く、週刊誌は42件、テレビは41件、ネットメディアは37件あった。ヤフーは「媒体の種類や記事の内容などを問わず、さまざまな記事のコメント欄が措置の対象となっている」としている。

コメント欄が非表示になると、読者は不適切な内容を含む全ての投稿を閲覧できなくなる。多様な考えや意見の排除につながらないように慎重な運用を求める声も上がっており、「透明化の確保に取り組み、多くのユーザーが安心して利用できるように継続的な改善を行う」(ヤフー)という。
2022年1月20日 13:36
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC202CB0Q2A120C2000000/