【ロンドン=佐竹実】英政府は15日、電気自動車(EV)の購入補助金を引き下げると発表した。EVの販売台数が増える中、1台当たりの支援額を減らすことで、より多くの人に制度を使ってもらうためだ。業界団体は普及に水を差すとして反発している。

乗用車の補助金は2500ポンド(約37万5千円)から1500ポンドに引き下げ、3万2千ポンド未満の車を対象とする。運輸省は「より手ごろな価格の車に焦点を当てて助成率を下げることで、多くの人が恩恵を受けられる」と説明している。大型バンの場合、補助金は6000ポンドから5000ポンドに下がる。

業界団体は引き下げに反発している。英自動車工業会(SMMT)のマイク・ホーズ会長は「インフレ率が10年ぶりの高水準でパンデミックによる経済不安が強まっており、これ以上悪いタイミングはない」と批判した。

SMMTによると、2021年1〜11月の新車販売台数のうち、EVは約16万3千台と全体の10.6%を占めた。前年同期の5.8%から大きく増えている。
2021年12月16日 6:37 (2021年12月16日 6:38更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1606I0W1A211C2000000/