【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)のクルーガ欧州地域事務局長は7日、新型コロナウイルスのワクチン接種義務化について「ほかの方法がなくなった時の、最後の手段とすべきだ」と語った。義務付けが混乱につながる国が出るとみて、慎重な対応を呼びかけた。

クルーガ氏は記者会見で「義務化するなら、例外規定も含めた全体の計画を立て、しっかりと国民との意思疎通を図らなければいけない」などと説明した。接種義務を巡っては、医学的な理由で接種できない人への対応、罰則規定の是非など数多くの検討項目がある。

欧州連合(EU)では、オーストリアが2022年2月から接種を義務付ける考えを明らかにしている。EUのフォンデアライエン欧州委員長も1日、義務化に向けて議論を始めると表明した。
2021年12月8日 4:36
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR07E4H0X01C21A2000000/