2021年11月5日 20時42分環境

「いちばん恐ろしいのは、飛行機を飛ばせなくなることだ」

大手航空会社の社長へのインタビューで衝撃的なことばが飛び出しました。長期化する新型コロナウイルスの影響で、経営不振にあえぐ日本の航空業界。しかし今、コロナとは別の大きな“危機”に直面していると言います。いったい何が起きているのでしょうか?(経済部記者 加藤ニール)





2社トップ異例のインタビュー

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211105/K10013335051_2111042111_2111051619_01_11.jpg
全日空 平子裕志社長(左)日本航空 赤坂祐二社長

国連の気候変動対策の会議「COP26」を目前に控えた10月下旬。

インタビュー撮影のため、羽田空港の一画に現れたのは、大手航空会社「全日空」と「日本航空」の2人の社長です。2つの会社は、いわずと知れたライバルどうし。そのトップが並んでインタビューに応じるのは、極めて異例のことです。

それにはもちろん理由があります。日本の航空業界が直面する、ある“危機”について語るためです。





脱炭素の切り札“SAF”とは

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211105/K10013335051_2111042110_2111051619_01_04.jpg
SAF

日本の航空業界に迫る危機。それは、業界の脱炭素を実現するうえで欠かせない代替燃料、いわゆる「SAF」をめぐる世界的な争奪戦です。

「SAF」ということば、聞き慣れない方も多いかも知れません。持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)という英語の頭文字をとったことばです。

従来の化石燃料と違って、原料に石油を使いません。トウモロコシなどの植物以外にも、最近では、食品廃棄物や廃プラスチックなど、さまざまな原料から開発されています。

こうした燃料も、飛行機のエンジンを動かす際には二酸化炭素を排出します。しかし、製造過程を含めたトータルで見れば、従来の化石燃料より80%程度、二酸化炭素の排出量を削減できるとされています。

2050年に二酸化炭素排出量、実質ゼロを目指す航空業界にとって大幅な削減を実現する切り札と考えられているのが、代替燃料=SAFなのです。



2社が抱く強烈な危機感

2人の社長が語ったのは、SAFをめぐる厳しい現状でした。

確保のための取り組みが、日本は大きく出遅れているというのです。

日本航空 赤坂社長
「(欧州などに比べ)率直に言って遅れています。遅れているというより、日本での取り組みは、まだ始まってもいないという方がいいかもしれない」

全日空 平子社長
「日本でSAFを調達できなければ、飛行機の運航がストップしかねない。いまから第一歩を踏み出しておかないと間に合わないのではないかという危機感があります」




ヨーロッパ“飛び恥”ということばまで
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211105/k10013335051000.html