【シリコンバレー=白石武志】家庭内や中小企業内のWi-Fi(無線LAN)接続環境を改善する技術を手掛ける米スタートアップのプルームは12日、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の投資ファンド「ビジョン・ファンド2号」の主導で3億ドル(約340億円)を調達したと発表した。今回の資金調達でプルームの企業価値の評価額は26億ドルに達した。

プルームはカリフォルニア州パロアルトに本社を置き、従業員数は475人。複数台のWi-Fiルーターを置くことで、宅内やオフィス内の隅々までネット接続サービスの快適性を高める技術に強みがある。調達した資金は研究開発やマーケティング、M&A(合併・買収)などに充てるとしている。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の広がりによって、宅内のWi-Fi接続を改善したいという消費者のニーズは高まっている。プルームの技術は世界の240社以上のケーブルテレビ事業者や通信事業者で利用され、3500万以上の家庭や企業などで導入されているという。

プルームが2021年2月に開示した前回の資金調達では、13億5000万ドルの企業価値の評価額でベンチャーキャピタル(VC)の米インサイト・パートナーズから2億7000万ドルの投資を受けている。企業価値の評価額は約8カ月で約2倍に増えた計算だ。プルームの開示によると、同社には米クアルコムや韓国・サムスン電子なども出資している。
2021年10月13日 5:44
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12EBB0S1A011C2000000/