みずほ銀行のシステム障害で、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)は8日、店舗窓口で一時取引ができなくなった8月の障害の原因となった機器と同じ型番の機器で今年度に入って故障が相次いでいたことを発表した。みずほFGは当時、この状況を把握していなかった。また、障害対応のマニュアルの内容も不十分でバックアップ体制が適切に機能せず、復旧に時間がかかったことも判明した。

みずほFGでシステム部門を統括する石井哲執行役はオンラインで記者会見し、基幹システム「MINORI(みのり)」について「根本的な問題はない」としながらも「使いこなせていない」と指摘。再発防止策としてシステムメーカー出身の人材を採用し、メーカーとの連携を強化する方針を示した。

機器の点検や交換のほか、多様なパターンの機器故障を想定したマニュアル整備も進めるという。

店舗窓口で一時取引ができなくなったシステム障害は8月19日夜、サーバー機器のハードディスク2台が相次いで故障する「二重障害」によって発生。調査の結果、同じ型番のハードディスクで読み取り不良などによる故障が今年度は昨年に比べて2倍くらいのペースで起きていたことが判明したという。

この型番のハードディスクは平成27年に導入。石井氏は「一定の経年があった中で、この型番に偏った形で故障率が上がっている」と述べた。

バックアップ体制では今回のような二重障害をマニュアルなどで想定していなかったため予備のサーバー機器への自動切り替え、手動切り替えが失敗し、20日午前9時の営業開始までに復旧できなかった。

みずほ銀では2〜9月、計8回のシステム障害が発生。金融庁は9月にみずほ銀とみずほFGに業務改善命令を出した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/29fe6c92b4b109d99747991138afcfdc70191bf0