IT資産管理(ITAM)企業のLansweeperによる新しい調査が正しければ、多くのエンタープライズ企業は、これから何年間も、少なくともハードウェアを大規模に入れ替えるまでは「Windows 10」を使い続ける可能性があるようだ。

https://japan.zdnet.com/storage/2021/10/07/4f793df89d217c0258436a9bf7faa5bd/windows-11-infographic-bp-image.jpg
提供:Lansweeper

 Lansweeperが集計した「Windows 11」準備状況のデータによると、Microsoftの最小ハードウェア要件が厳しいため、ワークステーションの55%がWindows 11にアップグレードできない可能性があるという。

 米ZDNetに寄稿するEd Bott氏が伝えた通り、2019年より前に発売されたハードウェアは、CPUとして比較的新しい第7世代の「Intel Core」や第1世代の「AMD Zen」を搭載したものなど、要件を満たさないものが多い。Microsoftは要件を厳しくしたことについて、信頼性とセキュリティと互換性を高めるためだとしている。
□Windows 11: Microsoft stands firm on hardware requirements | ZDNet(英文)
https://www.zdnet.com/article/windows-11-microsoft-stands-firm-on-hardware-requirements/
□Update on Windows 11 minimum system requirements and the PC Health Check app | Windows Insider Blog(英文)
https://blogs.windows.com/windows-insider/2021/08/27/update-on-windows-11-minimum-system-requirements-and-the-pc-health-check-app/

 Lansweeperは、Windows 11準備状況のデータについて、6万の組織が保有する約3000万台のWindowsデバイスを調査した結果に基づいているため、エンタープライズのハードウェアについての有効な標本だとしている。

 Microsoftが示したWindows 11のCPUの要件を満たすマシンはわずか44%で、「Trusted Platform Module(TPM)2.0」の要件を満たすものも52.5%にとどまった。ただ、RAMの容量に関する要件は大半(91.05%)が満たしている。

 ハードウェアの要件としては、対応したCPUのほかに、4GB以上のメモリーと64GB以上のストレージ、UEFIのセキュアブートの有効化、「DirectX 12」以上(WDDM 2.0ドライバ)に対応したグラフィックスカード、「Trusted Platform Module(TPM)2.0」などが必要になる。

>>2 へ続く

2021-10-07 14:28
ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35177705/