23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時45分現在は前日比413ドル16セント高の3万4671ドル48セントで推移している。上げ幅は一時500ドルを超えた。中国不動産大手の中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らいだ。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)もほぼ想定通りに終わり、買い安心感から幅広い銘柄が上昇している。

米連邦準備理事会(FRB)は22日まで開いたFOMCで、景気回復が予想通り進めばテーパリング(量的緩和の縮小)が「近く正当化される」と年内開始を強く示唆した。パウエル議長は会見でテーパリングは利上げ時期の「直接的なシグナルではない」と述べ、利上げには慎重な姿勢を示した。ほぼ想定通りの内容で、当面は緩和的な金融環境が続くと受け止めた。中国恒大は人民元建て社債の利払いを実施するとの発表が安心感につながっている。

週初は中国恒大やFOMCへの警戒感から米株相場は大幅に下げた。その際に売りが目立っていた景気敏感株の一角を中心に買いが入った。化学のダウや建機のキャタピラー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが高い。米長期金利が一時前日比0・07%高い1・37%を付け、利ざや改善の観測から金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスの上げも目立つ。

23日に2022年1月期通期の売上高見通しを引き上げた顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが大幅高となっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00003_T20C21A9000000/