米アップルが14日に発表したスマートフォン「iPhone13」シリーズは、カメラ機能などの充実が目を引く。ただ日本のユーザーからは残念がる声も出ている。ロック解除のための指紋認証機能が搭載されず、顔認証のみだったからだ。コロナ対策のマスク着用が定着している国ならではの反応ともいえそうだ。

「コロナ禍も2年目。開発期間を考えると、そろそろ指紋認証にも対応するかと思ったが……」。ITジャーナリストの石野純也氏はアップルの発表を受けて少し驚いた。ただ発表前には指紋認証が見送られるといううわさもあり、予想の範囲内ではあったという。「アメリカでは指紋認証へのニーズが日本より低いのかなと思う」と話す。

 顔認証機能は2017年発表の「iPhoneX」から搭載され始めた。画面を見つめるだけでロックが解除できて便利だが、マスク姿では認証されづらく、その場合はパスコードを手入力する手間がかかる。日本ではコロナ禍の以前から、花粉症でマスクを着用する人が多いため「不便だ」という声が出ていた。

 アンドロイド端末では指紋認証と顔認証が両方搭載されているものもあるが、iPhoneは片方のみ。石野氏は「両方対応するとどうしてもコストが高くなる上、指紋と顔のどちらでロック解除するのか操作が若干分かりづらくなる。そのあたりをアップルは嫌ったのでは」と推測する。

 ただアップルは今年4月から、アップルウォッチと接続していればマスク姿でもロック解除ができるように対応している。とはいえこれにはアップルウォッチが必要で、マスク文化のある日本では指紋認証機能を求める声が根強い。SNS上でも「iPhone13に指紋認証が付いたら買う気だったのに」などと残念がる声が上がっている。
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