ほんの数年前は高級ホテルからサッカークラブまで海外のあらゆるものに惜しみなく資金を投じていた中国企業が、今では海外事業から撤退しようとしている。

ブルームバーグの集計データによると、中国企業が今年これまでに売却計画を発表した海外資産の総額は105億ドル(約1兆1500億円)と、少なくとも1998年以降で2番目の大きさ。現在のペースなら、2021年は通年で昨年の150億ドルを超える可能性がある。

中国国際金融(CICC)の中国クロスボーダーM&A(合併・買収)責任者、バグリン・アンゲロフ氏はインタビューで、「中国企業は最近、単なる買収よりも、先を見越した資産ポートフォリオの見直しを行っている。良い提案があれば、少なくともそれを精査することにオープンだ」と述べた。

処分対象となっている事業分野の1つは廃棄物処理事業で、中国天楹は6月、傘下のスペインの廃棄物処理会社ウルバセルを18億ドルで売却することで合意。北京首都創業集団と北京控股も海外資産の売却を検討している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-09-07/QZ17OUT0AFB601