大手電機メーカーの三菱電機は、長崎の工場で発覚した製品の検査不正について、鉄道用の空調装置のほか、列車のドアの開け閉めやブレーキに使われる空気圧縮機でも行われていたことを明らかにしました。会社は外部の弁護士などによる調査委員会を設け、ほかにも不正がないか、詳しく調べることにしています。

三菱電機では、長崎県時津町の工場で先月、製品の検査システムを改修していた際、製造している空調装置で不正な検査が行われていたことがわかりました。

さらに会社が調査を進めたところ、同じ工場で製造している列車のドアの開け閉めやブレーキに使われる空気圧縮機でも不正が行われていたことが明らかになりました。

不正な検査は1985年ごろから行われ、空調装置では、冷暖房の能力や電力消費、防水の性能などを確かめる際に仕様と異なる方法で試験を実施していたほか、空気圧縮機では試験を実施していない事例もあったということです。

また、顧客に提出する「検査成績書」でも合格した別の機器の数値を使うなどの不正が行われていたということです。

会社によりますと空調装置は1985年から去年までに8万4600台、空気圧縮機は最近10年でおよそ1000台、出荷されています。

会社では外部の弁護士などを含めた調査委員会を設置し、子会社を含めて国内のすべての事業所を対象に同じような不正が行われていないか詳しく調べることにしています。

三菱電機は、これまでに出荷した製品の安全性や機能、性能には問題がないことを確認したとしています。

ただ、これまでもたびたび検査の不正問題が明らかになっているだけに、大手メーカーとしての信頼性が厳しく問われる事態となっています。
以下ソース
2021年7月1日 0時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210630/k10013112551000.html