NTTデータ、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZO……。名だたる会社に就職し、会社員としての旨みを享受してきた田端信太郎さん。独立した今、これからの時代に会社員として働く意義をどう考えるのだろうか。

「乗り心地がいいから」で会社を選ぶ人、多すぎない?
僕は会社って乗り物みたいなもので、会社選びは交通手段を選ぶのに似ていると思っています。目的地を定めて、そこまで最短で行くなら新幹線や飛行機を使えばいいし、寄り道しながら行くならレンタカーが適しているかもしれない。

僕は自分一人では行きにくいところに連れていってもらうための手段として、ある程度まで新幹線で行き、目的地に近づいたらレンタカーを借りて自分の思うように進むような組み合わせが一番いいと思って、昨年末に会社を辞めて独立しました。

とはいえ、今はレンタカーで自由気ままに楽しんでいるけれど、遠方に行きたくなったらまた電車に乗るでしょう。結局はその時々に何がしたいかですよね。

要は自分のゴールと行き先が一致している限りは乗っていればいいし、そうじゃなくなったら降りればいいわけです。例えば東京から奈良に行くのに、新大阪までは新幹線に乗るとする。その時に、乗り心地がいいからって新大阪で降りない奴はバカでしょ?

若い時から明確に目的地が決まっている人は稀でしょうけど、それにしても「東と西」「暑い場所か寒い場所か」くらいの大まかな方向性すら定まってない人が多いと思っていて。

「プラチナチケットのあの電車に乗らなきゃ」「座席の座り心地がいいらしい」など、行先も確かめず人気の列車の椅子取りゲームみたいになっている現状の就活にも疑問があります。

相手がどの新幹線に乗っているかも知らずに「あいつはグリーン車に乗っているからすごい」と思うことに意味はあるんですかね? いくら良い席だからって、東京から鴨川シーワールドに行くのに新幹線に乗るのは違うじゃないですか。

そもそも20代の皆さんの中には、良い大学があるのと同じように「良い会社」があると思っている人がいますよね。偏差値のような一つの物差しはなく、会社を測る尺度はさまざまです。結局のところ「その人にとっていい会社」があるだけで、万人にとっての良い会社はない。
以下ソース
https://type.jp/st/feature/7163/