世界的に合法大麻の受け入れが広がりつつある中でも、日本は断固容認しない政策を堅持している。大麻違法所持の最高刑が懲役5年と極めて厳しい日本では、今年1月に使用罪の創設を巡る議論も始まった。そうした状況下で、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は海外の大麻関連株に投資している。

開示資料によると、GPIFは少なくとも3つの大麻関連銘柄を保有していた。金額にして計約8000万ドル(約87億円)相当。嗜好(しこう)用大麻を扱うカナダのキャノピー・グロースについては約170万株を保有し、これに基づくとGPIFは同社の上位株主12位以内に入る。

トロントに本拠を置き、「スピナッチ」や「ハッピー・ダンス」などの大麻ブランドを展開するクロノス・グループ保有株の価値は約1700万ドル。医療用大麻会社オーロラ・カンナビス保有株の価値は700万ドル、上位株主10位以内だった。大麻関連の事件を扱ってきた刑事弁護士の亀石倫子氏はこうした状況について、「全く矛盾している」と話す。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-18/QQ6LK8DWX2PT01