0001田杉山脈 ★
2021/03/28(日) 20:11:39.60ID:CAP_USERかつてモルガン銀行勤務時代に「伝説のディーラー」として名をはせ、国会議員も務めた藤巻健史氏は最新刊『藤巻健史の資産運用大全』でも、財政破綻への備えを訴える。一方、通信社記者として金融業界を取材してきた作家の相場英雄氏も、最新刊『Exit イグジット』で金融政策の異常さを指摘し、財政破綻への危機意識を持つことが重要だと指摘する。
金利上昇で日銀が国債の巨額評価損を抱えれば、円は紙クズに
藤巻氏:小説にもあったように、地銀はゼロ金利で長短金利差もなくなり、本業の利益が激減しています。貸倒引当金を大きく計上せねばならない事態になれば、深刻です。
異次元の量的緩和で懸念される一番の副作用は、日銀の破綻だと私は考えています。買いまくった長期国債の利回りが令和元年度で平均0.257%です。今、10年物の長期金利で0.15%ぐらいです。これが0.2%ぐらいまで上がると日銀が抱える国債に評価損が出始めるわけですよ。
相場氏:大変なことになりますね。
藤巻氏:この評価損をどう考えるか。黒田さんは簿価会計だから全然関係ないと言ったけれども、簿価会計で大丈夫だったらリーマン・ブラザーズだって山一証券だってつぶれていません。
私がモルガン銀行に勤務していた経験からすると、やっぱり簿価会計というものは前世紀の遺物で、世界では取引相手の評価はすべて時価会計です。そりゃ、そうです。不健全相手に取引を継続して、自分が巻き添えを食ってはたまらないからです。では、もし日銀が赤字になったときに外国の金融機関がどういう評価をするのか。評価損がどんどん大きくなり、巨額になってきたら、彼らは日銀との取引を中止すると思います。きっと日銀に代わる新しい中央銀行ができて、財政が回復するまでは取引をしないでしょう。
これは何を意味するか。日本は海外の株式を買えない、海外の投資家も日本の株式を買えないということも起こりますが、最大の影響は為替取引ができなくなることです。約束手形では手形というブツの交換は手形交換所で行いますが、それに伴う資金の決済は、すべて日銀当座預金を通じて行われます。為替もそれと同じです。
海外の金融機関が日銀に持つアカウントが使えないことから、外資系金融機関は円を受け取る手段がなくなります。対価をもらう手段がなければドルを売ってくれるわけがありません。日本の円は完璧に鎖国状況で価値がない。円が海外から信用を失い、ほかの通貨に替えられないということになったら、円は紙クズです。
相場氏:大パニックですよね。
藤巻氏:日本が危機的状況に陥る可能性も高い。多くの日本人の生活が相当なダメージを受ける可能性がある。だからこそできる人は資産を守るなどの備えをする必要があると思っているのです。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/022600181/