英政府の競争・市場庁(CMA)は3月4日(現地時間)、米Appleのアプリストア「App Store」でのアプリ開発者向け利用規約が不公正で反競争的であるという苦情を受け、独占禁止法調査を正式に開始したと発表した。

 「Appleはスマートフォンやタブレットの販売に加え、App Storeも運営している。App Storeは、アプリ開発者がiPhoneとiPadでアプリを配布する唯一の方法であり、Appleユーザーがアクセスする唯一の方法」で、開発者からは、アプリをApp Store経由でしか提供できないこと、アプリ内決済でAppleの支払いシステムの使用が義務付けられていること、収益の最大30%が手数料として徴収されることについて苦情が申し立てられているという。

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会も昨年6月、Appleに対する独占禁止法調査を開始した。

 AppleのいわゆるApple税に関しては、米Epic Gamesや米Facebookが批判している。

 Appleはメディアへの声明文で「App Storeは、マルウェアからユーザーを保護し、ユーザーの同意なしに個人情報を収集する行為からユーザーを守るために、すべての開発者に公平に適用する厳格な基準を設けている。この基準が開発者の成功の原動力になっている」と語った。
2021年03月05日 08時42分
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/05/news059.html