【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトが27日発表した2020年7〜9月期決算は純利益が前年同期比30%増の138億9300万ドル(約1兆4500億円)だった。四半期ベースで過去最高を更新し、売上高も15四半期連続の2桁増を維持した。新型コロナウイルスによる経済減速の影響が懸念されたが、在宅勤務の浸透でクラウドサービスの利用拡大が続いた。

売上高は12%増の371億5400万ドルだった。インターネットで演算能力を提供する「Azure(アジュール)」や協業アプリ「Teams(チームズ)」といったクラウド関連事業の売り上げが31%増の152億ドルとなり、全体の4割を初めて上回った。クラウド関連は粗利率も71%(4〜6月は66%)に改善しており、純利益を押し上げる原動力となった。

徐々に鈍化していたクラウド関連の売り上げ成長にも、持ち直しが見られた。例えば、アジュールは前年同期比で48%の増収、文書や表計算ソフトなどをまとめた「オフィス365(企業向け)」は21%の増収だった。いずれも4〜6月の増収率を上回った。

マイクロソフトのクラウドサービスはコロナ感染が拡大した春から夏にかけて利用が急増した。コロナからの経済再開は国や地域によりまだら模様だが、多くの企業が契約を続けている。収益基盤が拡大していることが明らかになり、27日の米市場の時間外取引でマイクロソフトの株価は終値を上回って推移している。

このほか消費者向けのゲームソフトや会員制サービスの売上高は30%増、パソコンの「サーフェス」は37%増だった。広告収入を主体とするビジネスSNS(交流サイト)「リンクトイン」は16%増で、4〜6月期(10%増)から改善した。
以下ソース
2020/10/28 6:06
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65541120Y0A021C2I00000/