>>986
貿易構造の違いに関わらず、
多くの国で通貨高はGDPマイナス寄与になるという話


第1-2-13図 為替レート増価によるGDP押下げ効果(グラフ)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09f12130.html
いずれの国でも自国通貨の増価(通貨高)はGDPを押下げる

いずれの国でも自国通貨高は景気にマイナス(記事)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09b01020.html
日本では、少なくとも「景気循環」が問題となる数年の期間では
自国通貨高(円高)はGDPにマイナスの影響を及ぼす。
このことは、内閣府の短期マクロモデルの乗数でも確認できる。

しかし、これは日本が輸出依存型の経済構造だからではないか、
という疑問も浮かぶ。逆にアメリカでは、しばしば「強いドル」への
支持が表明されることがあるが、これはアメリカが輸入超過だからではないか。

こうした疑問に答えるため、国際比較が可能なOECDのInterlinkモデルで
自国通貨が10%増価した場合の実質GDPの押下げ効果(2年目)を比べてみよう
(第1−2−13図)。
その結果によれば、第一に、アメリカを含め、すべての国で2年目の効果はマイナス、
すなわち、基準となるケースと比べ実質GDPが減少している
(図では「押下げ効果」としてマイナス符号を落とした乗数の値を示している)。

なお、3年目になると、ニュージーランド、英国など一部の国でわずかながらプラスとなり、
アメリカは5年目でプラスとなる。しかし、多くの国では5年目になってもマイナスである。
第二に、日本のマイナス効果は、必ずしも大きいほうだとはいえない。
したがって、貿易構造にかかわらず、自国通貨高は短期的には「景気」にマイナスで