菅義偉首相が携帯電話料金の値下げの必要性を訴えていることに対し、KDDIの高橋誠社長は25日、海外と比べ遜色ない価格を求められているとした上で「足りない部分があれば対応していく」と、値下げに取り組むことを示唆した。菅政権発足後、大手携帯会社の首脳が携帯値下げについて発言するのは初めて。

同日開いたKDDIの次世代通信規格「5G」の利用促進イベントで発言した。値下げについて、高橋社長は「要請を真摯に受け止め、対応を検討する」と説明した。その上で「コストを切り詰めながら安く提供しないといけない。通信以外のビジネスを含めて持続成長していくことが前提だ」と強調した。

成長領域である5Gの基地局建設への影響について「5Gは緩めることなく展開したい」と述べた。

菅首相は政権発足直後から武田良太総務相に対し、携帯料金引き下げに向けた検討を指示した。武田氏は「(値下げ幅は)1割程度では改革にならない」と意欲を示す。

菅首相が官房長官時代の2018年、「携帯料金は4割値下げする余地がある」と発言。総務省は大手による「囲い込み」を排除する施策を相次ぎ導入したが、通信料金は高止まりが続く。総務省の世界6都市の比較調査によると、東京(NTTドコモ)は標準的なデータプランで世界で2番目に高く、大容量プランは最も高い。
2020/9/25 12:36 (2020/9/25 12:53更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64227630V20C20A9X30000/