日本を除くアジア株は、新型コロナウイルス感染拡大に起因する売り浴びせからの回復が今後も続くとの見通しを、ゴールドマン・サックス・グループが示した。向こう1年に企業利益が上向くとともにドルが下落し、株価を支えるとみている。

ゴールドマンのチーフ・アジア太平洋株式ストラテジストのティモシー・モー氏を含むアナリストは、MSCI・ACアジア太平洋(日本除く)指数の目標値を590と、従来の510から引き上げた。これは現在の水準から4%超の値上がりとなる。

モー氏らは13日付のリポートで、経済状況の改善や継続的な金融緩和を背景に企業の利益見通しを引き上げたものの、指数は「年末に向けて上昇する前に相場の調整も入り、道筋はスムーズではないだろう」と予測した。短期的な見通しは、今後3カ月での5−6%下落を示唆しているという。

アジア太平洋の広範な地域の株式相場は年初来の下げを埋める見込みだ。中央銀行による前例のない刺激策に加え、アジア太平洋諸国の方が欧米よりも新型コロナをうまく封じ込めているとの投資家の見方が背景だ。

ゴールドマンのストラテジストらは、中国の経済活動が勢いを取り戻すにつれ、ドル下落がアジア太平洋地域資産へのポートフォリオシフトを促すとみている。ただ、アジアの回復が減速したり、米中間の緊張が再び高まる場合にはこの強気シナリオが損なわれる可能性もあると指摘した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-13/QEZQ0KT0AFB501