人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、東京・千代田)が発表した6月の求人広告掲載件数(週平均)は前月比3.3%増の64万7208件だった。人手不足が続く「医療・福祉サービス」が同17.8%増えたほか、経済活動の再開でサービス系の求人が増えた。全体の件数は前年同月比58.2%減と引き続き低迷している。

職種別では、掲載件数が最も多い「販売」が前月比6.9%減ったほかは、全職種が増加した。「運搬・清掃・包装等」は同6.7%増。ネット通販の需要増でドライバーや配達要員の募集が増えている。「調理」は同13.8%増えるなど、営業を再開した飲食系の求人広告も増えた。

雇用形態別では正社員が同15.8%減った一方、アルバイト・パートは同8.9%増えた。新型コロナの新規感染者が再び増え、景気の先行き不透明感が強い。企業が正社員の雇用に慎重なことがうかがわれる。

全求協が求人情報会社を対象に集計した「求人広告ウォッチャー調査」によると先行き(9月)の企業の求人意欲を示す指数は、正社員が前年同期比11.6ポイント低い52.1ポイント、アルバイト・パートは同10.6ポイント低い53.3ポイント。指数は100に近づくほど求人意欲が高いことを示す。

2020/7/27 16:07
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61943180X20C20A7QM8000/