ICT総研は、マイナポイントの申し込みが始まる直前、6月末時点での利用意向調査結果を発表。マイナポイントの利用意向者は34%。マイナンバーカード未取得者が消極的であることがわかった。

 ICT総研は6月29日、マイナポイント利用意向に関する調査結果を発表した。この調査では、申し込みが開始される前の時点におけるマイナポイントについての消費者の認知度や利用意向の実態を把握することを目的として、インターネットユーザー10,754人へWebアンケートを行った。調査期間は2020年6月19日〜22日。

 マイナポイントは、マイナンバーカードの普及促進などを目的に総務省が推進する事業・制度。マイナンバーカードにキャッシュレス決済を登録することで、ユーザーがチャージや決済を行なうとポイントを受け取ることができる。還元率は25%、還元金額は5,000円が上限となる見込みで、2020年7月1日からマイナポイントの申し込みがスタートした。

 まず、マイナポイントの認知度・理解度についてたずねたところ、「内容を把握している」14.1%、「聞いたことはあるが、内容把握していない」38.6%、「聞いたことがない」47.3%という結果になった。政府が積極的に広報しているため、「聞いたことがある」とした回答者は合計で52.7%と半数を超えているものの、内容を把握している回答者は1割強となっている。

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マイナポイントの認知度円グラフ

 次に、マイナポイント制度の内容について説明したうえで、この制度の利用意向を聞いたところ、「利用したいと思う」33.9%、「利用したいと思わない」25.6%、「わからない・回答不可」40.5%という結果になった。現時点での利用意向者は3人に1人程度となっている。

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マイナポイントの利用意向円グラフ

 マイナポイントの利用には、「マイナンバーカード」が必要となるが、マイナンバーカードをすでに取得した回答者のマイナポイント利用意向が58.2%であるのに対し、まだ取得していない回答者のマイナポイント利用意向は24.6%だった。マイナンバーカード未取得者の利用意向が、明らかに消極的な傾向にある。

 マイナポイントを利用するには、マイナンバーカード取得後に、任意のキャッシュレス決済を1つ登録する必要がある。そこで、現時点でマイナポイント制度の決済サービスとして登録されているキャッシュレス決済の一覧を見せたうえで、「もし自分がどれか1つに登録するとしたら、どのキャッシュレス決済をマイナポイントに登録したいか?」という登録意向を聞いた。

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「マイナポイントに登録したい」キャッシュレス決済棒グラフ

 その結果、登録可能なキャッシュレス決済の中で、「PayPay」の登録意向が23.0%でトップ。これに「楽天カード」が21.8%で続いた。

 以下、「WAON」7.4%、「楽天ペイ」6.3%、「d払い」6.2%、「楽天Edy」5.3%、「Suica」4.8%、「イオンカード」4.6%、「dカード」4.2%、「nanaco」3.9%。電子マネーやクレジットカードなどの既存のキャッシュレス決済手段と比べて、ここ1年程度で市民権を得たQRコード決裁の存在感が大きいことが読み取れる。

 7月に入り、マイナポイントの申し込みがスタートした。消費者がどのキャッシュレス決済サービスを選択して購買に活用するのか。マイナンバーカードの普及とあわせて、その動向が注目される。

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2020/07/02 10:00
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