日本百貨店協会(東京・中央)が22日まとめた4月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同月比72.8%減となり、2カ月連続で過去最大のマイナス幅だった。新型コロナウイルスの感染拡大で店舗の臨時休業が相次いだためだ。ようやく首都圏でも営業を再開し始めたが、需要回復には時間がかかる見通しでなお厳しい状況だ。

比較可能な1965年以降では、2020年3月(33.4%減)を超え、2カ月連続で過去最大の落ち込み幅だった。既存店売上高が前年同月を下回るのは7カ月連続となる。

閉鎖した店舗の影響を調整する前の全体の総売上高は、73.1%減の1208億円だった。政府が4月に発令した緊急事態宣言に伴い、感染予防のため店舗を休業する動きが広がった。衣料品や化粧品の売上高は8割減ったほか、一部の百貨店で営業を継続した食料品も5割減だった。

訪日客による免税売上高は98.5%減の5億円で、3カ月連続のマイナスとなった。政府が中国や韓国などからの入国を引き続き制限したことが影響した。政府が免税品目の拡大を実施した14年10月以降では、同年10月(約86億円)と今年3月(約47億円)を下回る最も低い水準となった。

5月も1〜18日の期間で「前年同期比で約85%減で推移している」(日本百貨店協会)という。政府は14日に39県、21日に大阪など3府県を緊急事態宣言の対象から解除すると決定。大丸松坂屋百貨店や高島屋などは店舗の営業を段階的に再開している。
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