関西電力が12日発表した2020年3月期の連結決算は、純利益が前の期比13%増の1300億円だった。暖冬などで電力販売は振るわなかったが、燃料費や減価償却費の減少が寄与した。前の期の台風被害に伴う特別損失もなくなり、利益を押し上げた。役員らによる金品受領問題は業績には影響しなかった。

売上高は4%減の3兆1842億円だった。主力の電気事業は6%減収。暖冬など天候要因で小売り販売電力量が減り、18年7月の電気料金の値下げも響いた。ガス・その他エネルギー事業はガス販売が伸び、11%増収だった。経常利益は4%増の2115億円。為替や燃料価格の変動が利益を810億円押し上げた。

21年3月期は新型コロナウイルスの感染拡大が電力需要に与える影響を見通せないとして、業績予想や配当予想を未定とした。森本孝社長は同日の記者会見で「産業用や業務用への影響は確実に出るだろう。それがいつ、どのように変化していくかを見通すのは難しい」と述べた。

2020/5/12 16:55
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58990100S0A510C2DTD000/