【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)が23日発表した2020年1〜3月期の国内総生産(GDP、速報値)は物価の変動を除いた実質ベースで前期比1.4%減となった。新型コロナウイルスの感染拡大で消費が大きく落ち込んだ。マイナス幅はリーマン・ショック後の金融危機で景気が冷え込んだ08年10〜12月期(3.3%減)以降、最大となった。

消費は6.4%減と、通貨危機に見舞われた1998年1〜3月期(13.8減)以来の落ち込みとなった。韓国では2月下旬から新型コロナの感染者が急増。消費者が外出を控え、買い物やレジャー、旅行などの支出を抑えたことが影響した。

輸出は2%減。半導体がメモリー市況の回復で増えた半面、自動車や機械、化学品が減った。輸入は原油や自動車などが減り、4.1%減となった。消費と貿易以外の指標への影響はまだ限定的だ。設備投資は0.2%、建設投資は1.3%それぞれ増加した。

韓国政府は同日、新型コロナ対策の経済閣僚会議を招集した。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は「4〜6月期から世界的な景気低迷が本格化し、実物経済や雇用への影響が拡大する恐れが強まった」と指摘。「新型コロナを終息させ、内需や輸出が下半期に回復に向かうよう政策対応に全力を挙げる」と語った。

2020/4/23 11:21
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58385510T20C20A4MM0000/