17日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反発した。終値は前日比607円06銭(3.15%)高の1万9897円26銭と3月6日以来の高値を付けた。トランプ米大統領が16日に新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から経済活動の再開を認める指針を示した。米株価指数先物が時間外取引で上昇するなか、短期筋による買いが優勢になった。

米国で経済活動が再開すれば米景気の悪化に歯止めが掛かるとの期待で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の米株先物が大幅高となった。米バイオ製薬企業が開発した医薬品が新型コロナ患者の治療に効果的との報道も投資家心理の持ち直しにつながり、CTA(商品投資顧問)など海外ヘッジファンドを中心に買いが入った。

東証1部の値上がり銘柄数は1063と、全体の49.0%を占めた一方、値下がりは1034、変わらずは71と全面高の展開にはならなかった。安倍晋三首相が16日に緊急事態宣言の対象を全国に拡大したのを受け、外出自粛など経済活動の停滞が広範囲で起こるとの懸念で、内需関連銘柄に売りが出た。

JPX日経インデックス400は反発した。終値は前日比202.58ポイント(1.59%)高の1万2959.81だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、20.30ポイント(1.43%)高の1442.54で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆6104億円。売買高は14億905万株だった。

ファストリが大幅高となり、1銘柄で日経平均を108円押し上げた。ソフトバンクグループやファナック、リクルートが上昇した。半導体受託生産の最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が好決算を発表し、東エレクやアドテストなど半導体関連株の上げが目立った。一方、中外薬や富士フイルム、ヤマトHDが下落した。NTTやJR東日本、デンカも下げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/4/17 15:26
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_X10C20A4000000/