ぴあは19日、2020年3月期の連結純利益が前期比88%減の1億円になりそうだと発表した。微増益の従来予想から7億2000万円引き下げ一転減益となる。新型コロナウイルスの感染拡大でコンサートやスポーツなどの興行中止や延期が相次いでいるため、チケット販売が減る。払い戻し作業に伴う特別損失も計上。年間配当は前期より15円減の5円とする。

ぴあはイベント主催者からのチケット販売を受託しており、興行主とチケット購入者の双方から受け取る手数料が収入だ。連結売上高は8%減の1650億円、営業利益は56%減の6億円を見込んでいる。従来予想から、それぞれ150億円、8億5000万円ずつ見通しを下げた。

興行主からの手数料は払い戻す必要はないが、購入者から受け取る手数料は払い戻す。同社によると16日時点で6000を超す公演が中止されており、ぴあが主催するイベントも一部取りやめている。

19日、金融機関13社から最大150億円の借り入れを行うことも発表した。「資金面では現状でも潤沢に確保されている」(同社)といい、新型コロナの影響が長引いて売り上げの落ち込みが今後も続く場合などに備える。

2020/3/19 17:29
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57014780Z10C20A3DTA000/