【ソウル=細川幸太郎】経営再建中の韓国アシアナ航空は2日、全社員を対象に3月中に10日間の無給休業を義務付ける方針を明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大により、中国便に限らず幅広い路線で航空需要が急減しており、無給休業を実施して人件費負担を減らす。同社は3月の従業員給与を3分の1削減するとしている。

希望者には最大3カ月間の休職も認め、コスト削減を進める。同社は「経営非常事態」を宣言しており、社長は全額、役員は50%の報酬返上を決めている。需要急落に伴い、新たに従業員の給与カットに踏み切った。

韓国政府がまとめた国内航空会社の乗客数は、2月第3週の17〜23日に前年同期比84%減となった。新型コロナの感染拡大で旅行客や出張者が急減したうえ、韓国内での感染拡大を受け、韓国発の航空便の運航を禁止する国・地域が増えているためだ。航空業界の深刻な苦境は当面続く見通しだ。

2020/3/2 16:07
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56267270S0A300C2FFE000/