DICは14日、2020年12月期(今期)の連結純利益が前期比横ばいの235億円になりそうだと発表した。電気・電子業界向けなどの高付加価値製品の出荷増を見込む一方、新事業の創出にかかるコスト増が重荷となる。年間配当は1株あたり10円増の110円を予定する。

売上高は5%増の8100億円、営業利益は9%増の450億円の見通し。出荷数量の増加や品目構成の変化が営業利益を66億円押し上げる。販売価格の引き下げや為替の影響などは営業利益の下押し要因となる。

都内で会見した古田修司・最高財務責任者(CFO)は「20年12月期の業績は新型コロナウイルスによる影響を織り込んでいない」と説明した。中国で展開する拠点はほぼ再開を始めたが「物流や顧客動向が不透明だ」と述べた。

同時に発表した19年12月期の連結決算は、前の期と比べて売上高が5%減の7685億円、純利益が27%減の235億円だった。高付加価値製品の出荷落ち込みや19年8月に発生した埼玉工場(伊奈町)の火災事故における一時費用の増加が響いた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/2/14 12:44
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HE1_U0A210C2000000/