【ワシントン=鳳山太成】米商務省は4日までに、外国政府の補助を受けて不当に安く輸入された製品に課す「補助金相殺関税」に、為替介入による通貨安誘導も考慮する新規則を4月6日から正式に実施すると発表した。トランプ政権や米産業界は中国や日本が通貨安を追い風に輸出競争力を高めてきたと批判しており、外国の為替操作をけん制する狙いがある。

2月4日付の官報で通知した。2019年5月に原案を提示して産業界から意見を聴取し、最終規則を今回公表した。

新規則によると、政府の不当な補助金を受けているか算定する際、通貨の過小評価につながる外国政府の行動があるかを考慮に入れる。従来に比べて関税率が上乗せされるケースが出る可能性がある。金融緩和など中央銀行の金融政策は調査対象に含めない。

商務省は米企業の要請を受け、外国企業の特定製品が政府補助金を受けて不当に安く輸入されていないか調査し、「クロ」と判断すれば補助金相殺関税を課す。関税自体は世界貿易機関(WTO)ルールで認められた措置だが、トランプ政権は貿易と為替を絡めて中国などに圧力をかける構えを強めている。

2020/2/5 7:51
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55265660V00C20A2000000/