31日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比227円43銭(0.99%)高の2万3205円18銭で終えた。前日の米国株高を受けて東京市場でも運用リスクをとる投資家が増え、海外短期筋が株価指数先物の買い戻しを進めた。決算発表を手掛かりに買われる銘柄も相次ぎ、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。

世界保健機関(WHO)が30日夜(日本時間31日未明)、新型肺炎について緊急事態を宣言したが、貿易や渡航を制限する勧告はなかった。一定の買い安心感につながり、海外ヘッジファンドなど短期筋は株価指数先物を買い戻した。中外薬や日ハムなど、堅調な決算を発表した銘柄に買いが入ったのも日経平均を押し上げた。

中国国家統計局などが発表した1月の中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月比0.6ポイント上昇の54.1となり、相場の支援材料となった。

週末であることや決算発表のピークを控えていることもあって積極的に上値を追う動きには乏しく、午後は次第に模様眺めの雰囲気が強まった。

市場では「新型肺炎問題はいまだ収束の兆しが見えず、相場が本格的に戻りを試すには時間がかかる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)との声が聞かれた。

JPX日経インデックス400は反発し、終値は前日比87.14ポイント(0.58%)高の1万5091.79だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、9.67ポイント(0.58%)高の1684.44で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆6149億円。売買高は13億7692万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1507と、全体の約7割を占めた。値下がりは573銘柄、変わらずは79銘柄だった。

富士通やNEC、アドテストが上昇。サイバーやエムスリーも高い。日清粉Gやキッコマンも買われた。半面、アルプスアルやスクリンが安い。コナミHDや京セラも売られた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/1/31 15:26
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_R30C20A1000000/