楽天が10月から始めた携帯電話の試験サービスで、消費者から利用開始時に「接続できない」との相談が相次いでいることが分かった。楽天によると22日までに4500人以上に契約者情報を記録した「SIMカード」を発送したが、2割近くが通信サービスを起動していない。サービス地域内でも、屋内の一部などに圏外になる場所があるのが原因とみられる。

楽天は19年度末までに3432局の基地局を設ける計画だ。総務省のサイトで確認できる基地局数は約1700局にとどまる。安定した通信網の構築が課題になっている。KDDIの通信設備をローミング(相互乗り入れ)で借りる契約を結んでおり、地下や高層ビル、サービス対象地域以外ではKDDIの回線につながる。

楽天は東京23区、大阪市、名古屋市、神戸市に住む5000人を対象にサービスを始めた。20年3月末までは無料だ。

起動できないのは圏外にいるケースが多いとみて、楽天は相談窓口の人員を増やして通信環境や圏内での作業を説明している。
2019/10/22 20:44
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51273290S9A021C1TJC000/