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14日のメディアコンベンションで出展内容を披露したひとつがANAだ。アバターロボットを活用し、移動手段や人間拡張手段として用いる未来の暮らし(働き方、教育、家庭、ショッピングなど)を、リアルなアバター体験ともに紹介した。注目は14日に発表されたコミュニケーションロボット「newme(ニューミー)」だ。細長い胴体の上部に10.1型ディスプレイを搭載し、遠隔操作する人の映像を顔の代わりに表示。カメラやマイクを通して遠く離れた場所の様子を確認し、遠隔操作で場所を移動させることもできる。ANAでは2020年4月にサービスを開始し、同年夏頃までには1000体を普及させる計画だ。

ヤマハが中心となって推進している「SoundUD推進コンソーシアム」では、新たにradiko(ラジコ)アプリに実装した新機能「街の情報」の活用例を紹介した。「SoundUD」は電車内や施設内のスピーカーから音声トリガーとなる音響通信信号を発信し、それをスマホのマイクで受信することで、様々な情報がスマホ画面に表示される技術。SoundUDに対応した電車・バス・空港・店舗などのアナウンス音声をラジコアプリで検知すると、運行情報や緊急時の防災情報、クーポンなどを受信することができる。

「JapanTaxi」では、タクシー車両をセンシングとして活用することで様々なデータ収集を行い、それをAIやビッグデータとして蓄積していく「JapanTaxi Data platform」を紹介。まだコンセプトながら既に実証実験も開始し、今後はその対象エリアを拡大していく予定だという。また、JapanTaxiは日本初のタクシー配車アプリを開発したことでも知られるが、このアプリによってタクシー需要の喚起や業界初のタブレットによるタクシーのキャッシュレス化や広告配信などを実用化。これに関するタクシー会社向けのシステムも展示した。

「CEATEC 2019」ではキーノートを毎日実施するのも特徴で、15日のマイクロソフトの20周年記念特別基調講演を皮切りに連日テーマごとに多彩なキーノートが展開される。次世代の通信網である5Gをテーマとしたパネルディスカッションの他、東京モーターショー連動企画も予定。「Society5.0」につながる各社の取り組みを知る貴重な機会ともなりそうだ。