(CNN) ビザ(査証)なしで入国できる国・地域の数に基づき、世界各国のパスポート(旅券)を比較したランキングの最新版で、日本とシンガポールが依然トップに立っていることが分かった。

英コンサルティング会社、ヘンリー・アンド・パートナーズが航空運輸業界団体の国際航空運送協会(IATA)からのデータを基にまとめ、各国のビザ政策に応じて随時更新している。

世界199カ国のパスポートについて、227カ国・地域の渡航先のうち何カ国にビザなし、または到着ビザ制度で入れるかを調べ、その数を各国のスコアとする。

7月に発表された前回のランキングでも、日本とシンガポールがトップだった。両国の今回のスコアは190。

2位の韓国、フィンランド、ドイツ、3位のデンマーク、イタリア、ルクセンブルク、4位のフランス、スペイン、スウェーデンという顔ぶれも前回と同じ。スコアはそれぞれ188、187、186だった。

パキスタンが最近、厳しかったビザ政策を変更し、フィンランドや日本など計50カ国からの渡航者は電子渡航認証(ETA)のみで入国できるようになったため、対象国のスコアは1ポイント上がった。米国と英国は対象に含まれていない。

2014年のランキングでは米英両国がトップに並んでいた。今回の順位はどちらも6位にとどまった。

一方で上昇が目立っているのはアラブ首長国連邦(UAE)。5ランク上がって15位になった。

ランキングをまとめた専門家の一人、ケンブリッジ大学のロレーヌ・チャールズ氏はUAEについて「軍事力や経済力の面では地域の大国サウジアラビアにかなわないかもしれない。だがソフト・パワーでは湾岸諸国のどこにも負けない」との見方を示した。

最新ランキングの最下位はアフガニスタンで、スコアは25だった。

各国のパスポートの効力については、カナダの金融コンサルティング会社、アートン・キャピタルも台湾、香港、パレスチナ自治区などを含む199カ国・地域のランキングと、同様のスコアを発表している。2019年版のトップはUAEでスコア177、2位にはドイツ、フィンランド、ルクセンブルク、スペインが170で並んだ。
https://www.cnn.co.jp/travel/35143458.html