【シリコンバレー=白石武志】米ツイッターは30日、ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)のアカウントが同日午後に一時的に乗っ取られる被害にあったと明らかにした。ハッカーによって人種差別的な内容が投稿され、約420万人のフォロワーらが閲覧できる状態となっていた。トランプ米大統領らも情報発信の基盤として使う交流サイト(SNS)の脆弱性が示された格好だ。

米メディアの報道によると、「Chuckle Squad」と名乗るハッカーが30日午後1時前にドーシー氏のアカウントを乗っ取り、「ツイッターパスワードのトレンドを取得する」と投稿した。その後、10分程度にわたって「ヒトラーは無実だ」や「ツイッターの本社に爆弾が仕掛けられている」といった投稿を続けた。

ツイッターはドーシー氏のアカウントから不正投稿を削除した上で、午後2時すぎに「アカウントの安全を確保した。ツイッターのシステムが侵害された兆候はない」とのコメントを出した。

ドーシー氏は過去に不正なログインを防ぐ効果が高い2段階認証を取り入れていることを明らかにしている。ネット上ではツイッターのシステムにつながった外部アプリが何らかの手法でハッキングされ、乗っ取りに利用されたとの見方が出ている。
2019/8/31 7:13
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49254740R30C19A8000000/