中国に進出しているアメリカ企業の80%余りが、米中の貿易摩擦によって売り上げの減少や部品の調達先の変更などの影響を受けていることがわかりました。

中国に進出しているアメリカ企業の団体「米中ビジネスカウンシル」は29日、ワシントンで記者会見し、ことし6月に実施したアンケート調査の結果を発表しました。

それによりますと、回答のあったアメリカ企業100社余りのうちの81%が「米中の貿易摩擦の影響を受けている」と答え、前の年よりも8ポイント上昇しました。

このうち半数近くの企業が追加関税によって売り上げが減少したと回答したほか、部品や素材の調達先を変更したとしています。

さらに、ことし1年の売り上げが伸びる見通しだと答えた企業は全体の52%にとどまり、前の年の78%から大きく減少して悲観的な見方が広がっているとしています。

会見した米中ビジネスカウンシルのアレン会長は、「関税の影響を受けてアメリカ企業の競争力は、日本やヨーロッパの企業よりも低下している。市場のシェアを取り戻すのは非常に難しく、損害は長期にわたる可能性がある」と危機感をあらわにしました。

そのうえで、米中両政府に対して、早急に貿易交渉を再開させて関税の引き下げを実現するよう求めるとともに、中国政府に対しては不公正な貿易慣行が存在すると指摘し、外国企業進出の障壁を取り除き、経済の構造改革に乗り出すよう訴えました。

2019年8月30日 8時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190830/k10012056341000.html